「三十光年の星たち」読了 宮本輝著


約10年ぶりに宮本輝の小説を読んだ。彼の小説で一番好きなのは「青が散る」なのだが、こちらもテニスをする人にはぜひ読んでほしい。当時、時間のすべてをテニスに捧げていた自分と重ね合わせて感動した記憶がある。

今回紹介するこの「三十光年の星たち」も是非同世代、30代の人に薦めたい小説である。

主人公は彼女にも逃げられ職も失い、親からも勘当された無職の30歳の青年。かなり感情移入できる設定である(笑)。
それはさておき肝心のストーリーだが、ものすごい簡潔にまとめると、そんな青年が一人の老人との出会いによって再起し、自分が生きる本当の意味を見出していく物語だ。懸命に生きていく若者の姿と、それを厳しくも優しく導いていく人生の先人達。大げさにいうと人生の真実というものを主題とした物語なのではないか。

きっと読んだ人は、自分の今いる場所と意味を考え、主人公と自分とを重ね合わせ、考え、次の行動につなげることができると思う。

「人は十年でやっと階段の前に立てる。二十年でその階段の三分の一のところまでのぼる。三十年で階段をのぼりきる。のぼり切ったところから、お前の本当の勝負がはじまるんだ。その本当の勝負のための、これからの三十年なんだ」

三十年という歳月に思いを馳せ、三十年後の自分を考えることのできるとても前向きな小説だった。十年前には正直飽きていた宮本輝の小説。今になってふと手に取ったことにもきっと意味があるのだろう。この小説にもあるように人生に無駄なことなど一つもないのだから。

賢明にではなく、ここから一歩まず三十年、懸命に生きよう。そう思わせてくれました。本当にいい小説です。久しぶりに万人に薦めたいと思える小説でした。

興味あるかた、是非!!

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