「『オー!ファーザー』伊坂幸太郎著 読了」 (常酔亭日乗2013年7月8日)


伊坂幸太郎は優れたストーリーテラーである。初めて「オーデュポン祈り」を読んで衝撃受けてから、ずっと彼の本は読み続けている。
ファンの方も多いのでは?

本書に限らずどの本も読みやすく、毎回読み進める手が止まらない。純粋なミステリーというわけでもなく、例えば東野圭吾のような謎解き的要素は少ないけれど、想像したこともない設定(本書ではお父さんが四人いるという奇妙な設定)から織り成される、先が想像できない小説は、他に類を見ない。

彼の作品が、映画化は困難と言われながらも多数映画化されている事実は、作品そのものに人を惹き付ける大きな魅力があることを証明していると思う。

本書の内容はファンの方の為にネタバレを避けて書きませんが、まあ面白かった。登場人物の四人のお父さん達の言動は含蓄があるようで押し付けがましくない。軽快なテンポで交わされる息子との会話は笑ってしまうことしばしば。一人一人のキャラクターが愛すべき人間達で、まるで落語の登場人物みたいに憎めない。

いろんなジャンルの本を読んで世の中を考えたり、知識を増やしたりする事も楽しいけれど、純粋にストーリーに身を委ねる読書は、その世界に没頭することで逆にリラックス出来るし、ストレス発散なっていいものである。

純文学といわれるものには違和感を感じる人も多いかと。そんな人にこそ、堅苦しくなくテンポのいい、伊坂幸太郎の小説がお薦めです。(了)


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